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JEEP時間02★黄昏を蒼に染めて

さて、ちょっと間が空いてしまいましたが、またこのシリーズを再開します。
蒸し暑い日本の夏に、ジープからの爽やかな風をお届けできればと♪

で、前回の昼下がりからの続き。
今回は時間軸の流れに沿って、天空の刻々と移り変わる「色」をとらえてみたい。

ジープ時間。

それは例えばこんな風に表現してみたらどうだろう。

都会では、時計の針が時を刻む。
ジープでは、太陽と月の角度が時を刻む。

特に夕暮れ時にそれは顕著に現れる。
16時を過ぎ、『じゃあ、そろそろ帰るわ、、また明日。』と、
Y氏とガイドスタッフ達がボートに乗り込み、本島の方に戻っていく。
手を振りながら、ちょっぴりアンニュイな一日の「節目」を感じる。

この一時が好きだ。どこかモノウゲで、どこか漂流の匂いがするからだ・・・。

ボートが停泊してない、人が少なくなった静かなジープ。
それは外部と遮断され、いよいよ「無人島」の輪郭を仄かに漂わせ始める。
そして、ここからがこの島の真骨頂なのだ。

太陽が西の空に傾き、逆光がキラキラと海を輝かせ始める。
そこから天空に、刻々と「色彩の魔法」がかかっていく。

360度の空に囲まれた、この小さな島ならではの、大スケールの魔法が・・・。


水面にシルバーな光の粒が舞う頃、、既に夕暮は始まっているのかもしれない。

昼間の活動的な時間と違って、ふっと心が漂白されていくような静かな時間・・・。
メタリックでシャープな質感に、少しずつ黄味が混ざってくる。
 
 
レモンスカッシュのような、爽やかな大気だ。
そして徐々に、絞りたてのオレンジに変わっていく。
 
 
陽射しの微妙に変わる、色の変化も楽しみながら、
今日出会った「青」の事を想う・・・。
 
 
ゆっくりと太陽が西に沈もうとしている。
いよいよ、最初のクライマックスだ。
 
 
完全に沈み終わった後、
火のようなバーミリオンで、あたりを染め上げる。
 
 
その後、残照は不思議な色彩を刻々と変化させながら、
この「時」を包み込む。
 
 
ブルーとローズが交じり合う、天空のカクテル。
その名も、「ラベンダー・イリュージョン」。
ほろ苦く、甘酸っぱい・・・。

そして大気は一瞬、「薔薇の花」を咲かせる。
 
 
さあ回れ、、どんどん回れ。
踊りながら、全てを身にまとい、、
 
 

風に吹かれながら、全てを振りほどいて・・・。
 
 
そして一瞬、遥か外洋の表層にいるような、
「冷たい炎のようなコバルト」に包まれる。
一瞬だ。でもこの一瞬は、絶対に見逃さない。

最後のクライマックス・・・。
 
 
後は琥珀色の液体が、、
沈みゆく「蒼の時間」に、ポッと火を灯してくれるだろう。

やがて徐々に闇が忍び込み、プルシャンブルーからインディゴに変わり、
星がクッキリと現れ始める。
夜は少しずつ、少しずつやってくるのだ。

漆黒の時間になるまで、ギリギリまで、その色を感じていたい。
見届けられる、ギリギリまで。

海の底に沈んでいくように・・・。

ジープ島、Jeep島