◆最初の上陸。【JEEP島20年の貴重な歴史の中で 03】
何でも最初の第一印象って大事ですよね。しかも「初」は一回こっきり。今回は僕が初上陸した時の様子を綴ってみます(^-^)
─────────────────────────────
それは吉田氏からの一本の電話からだった。ようやくコテージが完成したという。元々何度もダイビングで訪れていたトラック。(僕にとってはチュークよりも、この歴史ある呼び名のほうがしっくりくる)
この島にもランチで上陸した事はあったけど、どう変わったかにとても興味が膨らんだ。
いよいよ現地名で「ファナンナン」という島を【ジープ島】という名に改め、他の島リゾートとは一線を画す、新しいコンセプト=「ゲストが泊まれる無人島」で、前人未到のプロジェクトをスタートさせるのだ!
数日後、さっそく現地に向かった。
『ん?これは! 全く新しい感覚のリゾートかもしれない!!』
ボートから飛び降り、島に一歩足を踏み入れた瞬間そう思った。更に、これまで知っていた元の島とも明らかにムードが違っていたのだ。珊瑚のカケラで両側を飾ったウエルカム・ロード。その両側に大きなシャコ貝がディスプレイしてあった。
その素朴な「海心」に、手作り感覚のホスピタリティが溢れていて、とっても嬉しい。これだよ、これ!
そして何よりも素朴で可愛らしいコテージが、この小さな島にピッタリと調和している。「人の温もり」の象徴でもある。
そして、これら島自体が11本の椰子の木と共に『どうぞ、いらっしゃい!』と、にこやかに微笑んでいるように感じられたのだった…。
風の穏やかそうな東屋、ワイルドなBARコーナー、使いやすそうなトイレとシャワールーム。メチャクチャ質素だけど、どれもこれもこの島のムードにピッタリとはまっていた。必要最小限の物しかないけど、それがかえっていい。「本来の自然」に触れられやすいからだ。だからこそ、全ての都会の垢をサラッと洗い流せる。
更に、回りの360度見渡せる美しい海が、ぐるりとここの庭のようにも感じられる。何と贅沢なシチュエイション! もう全てが夢のようにキラキラと輝いていた。
お金をかけたラグジュアリーなリゾートも嫌いじゃない。でも、それらとは全く違うスタイルでの「居心地の良さ」だ。後にこれを僕の造語で『ナチュラル・ゴージャス』と呼ぶ事になる訳だけど…。
これが今から20年前に、島のゲスト(関係者でもあるが)第1号として上陸した時の印象とインスピレーションだ。それは今でもくっきりと脳裏に焼き付いている。もうこの瞬間から、僕はこの島のトリコになっていたのだろう。
そう、「島そのものに恋に落ちた」と言ってもいい。 続く。
三輪アキラ